11
散る桜

桜が満開の時を迎えた
女達の高い歌声が聞こえる
男達の酒の賑わいも聞こえる

しかし私は散る桜が好きだ
風に舞い
ときとして小雪に見える
そんな桜が好きだ

風に舞う花びらは
らんかんの舞をしている

星や月の輝きも
今の季節の花びらに比べれば
他愛もないことだ

私は風に散る桜が好きだ



12
泡沫の夢


身体は横たわっていた

手に水の感触を感じると
川の流れに沿って
私は水に浸っていた

横の視界には
川の流れに沿って
ゆらりゆらりと私の髪が揺れている

その視界を天に向けた
輝くばかりの太陽の光
そんな遠くからでも
私の身体に降り注いでいるのか

横たわりし私の身体
手に川の感触が無くなったとき
私は起き上がった

髪に命の源の形跡はなく
今までの風景などもなく

−ここは私の部屋

何を捜すわけなく辺りを見渡し
私は心を決め
いつもの日常に戻った

−あれは夢



13


雪を見ると思いだす
いつだったか夢を見た
俺が戦っている夢を
戦いが済み
雪が降っていた夢を

戦いが終わった
時期は冬
雪などめったに降らぬここに
涙雪が降ってきた

馬上には我一人しか居ない
仲間も敵もこの戦で
雪に溶けていく

「また、死に場所を無くしてしまった。」

吐く息が白い
耳が切れるほど痛い
刃こぼれした刀に滴る朱血
傷つき身体に重る鎧と兜

何のために
我は死に場所を選べん?
我何用で、戦場にいる?
しかも馬上に

戦いが終わり
敵も味方もなく
白雪に朱血を流し死んだ

雪を見ると思いだす。
前世を夢に見たことを
俺が戦っている夢を
戦いが済み雪が降っていた前世を


14


このごろよく夢を見る
血にまみれ倒れている仲間と
それをどうすることも出来ずに立ちつくしている俺

だが仲間が誰なのか
何故俺がここに居るのか
全く解らない

でも何も出来ずに立っている自分が
悲しく、辛く、悔しく、そんな思いをしていることだけは解る

何故俺だけ生きているのか
何故仲間が倒れているのか
俺だけが生きているのか
悔しくて涙が止まらない

いつか俺が
俺のこの手で守ってみせる
約束するよ
遙か昔の仲間達よ



15


戦士たちよ……

この身に何があろうとも
守らなくてはいけないものが必ずあるはず

全てを守れ
何て言わないから
必ずその手で
必ずその真の心で
守って

地上の平和を守ることも
地球全てを守ることも
大切だけど
容易くはない

でも……
誰だって一つは守らなきゃいけないものがある
自分の側に居る大切な人を


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