ただそこにあるものを、 事を信じるだけで精一杯だった。 だから 今、目の前にいるお前を ずっと昔、友と呼び、 宿敵を一緒に追いかけていたなど 創造を逸する。 所詮信じるかなど、 そいつ次第だからと お前はあのころと同じ笑顔を見せた 俺も覚えているのだ。 お前と友だったことを だが、 どう信じればいい? このすさみ、汚れた世界で、 昔のような語らいも 追いかける術も もうここにはないではないか? おまえらしいよな いいよ、その方が、 会いに来たとき楽しいから お前は同じ事を繰り返した 俺と居て楽しい思いをするものなど居ない どうすれば手に入る? 昔を共有するお前との時間は、 どうすれば、手に入る? 扉 扉がある どこかの出口だろうが。 疑問、人は扉を見れば 必ずどこかの入り口だと思うのは何故か? 出口であっていいじゃないか。 どこかへ通じている 道の扉 扉がある 重そうだが開けてみれば その向こうが何か解る 気付いているはずだ、 その向こうに、危険があるかどうかくらい 扉がある それを開けよう。 その向こうにある輪廻先の世界へ向かうために 8 夢の中 夢の途中で起こされたような そんな、嫌な目覚め方 すっきりしないのは、 夢の中でお前だと認められなかったから 辛かった? 済まないと思った? お前一人を囚われの身に落とし、 あの崩れかけている地下牢に置き去りにして 俺は一人敵を討ちに行き、 しかも、 その果て、届かずに朽ち果てたではないか 俺は何を思いお前の側に居たがるのだろう あのとき、一緒に死ねなかったからか? あのとき、伝えられなかったからか? ずっと友達で居よう。 それが、永久で、永遠の俺の望むこと。 華恋 華恋〜 華恋とは、鼻と恋。 血にまみれ、我が身も明日には屍になりかねない、 もののふたちが、最後になるかも知れない杯を酌み交わす。 そのもののふたちが手に武器を握り、駆けめぐることを華という。 死に急ぐ男達の帰りを、ただひたすらに待つ女を恋という。 10 |
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