21
桜狩り〜はなみ〜

宴には桜が付き物
桜散る 城を眺めて 酒をくむ
 ひたすらに酔い 乙女を慕う

桜の下では約束が付き物
「例え幾時過ぎようと
私はここであなた様をお待ち申し上げます」

桜を望む人々の多々の想い
しかしそれらは桜を愛しているから

桜には運命が付き物
「今度生まれてくるなら
ここで再び合おう
そして酒を酌み交わそう」

桜には愛する人が居るもの
「貴方を誰にもやりたくないから
毎年春になったら会いに来るわ」

桜は散る
はらはらと
地に伏してもなお美しく
辺りを桃に染める
桜の花が桃色なのは
愛しい人の血を吸ったから

それでもそれを美しいと愛でる
我らは誰ぞ



22
巡ってきた……


桜の木の下に集まりし仲間達
偶然という言葉で代弁して
大切にしたい
そんな心を遙か昔から持っている
「仲間だから」
そんな言葉が
偶然なわけないだろう
「仲間だろ」
そんな言葉を言えるのに
ただの偶然じゃないだろう
巡ってきた春の中で
巡り会った仲間達
そんなわけでよろしく


23
闇からの約束


目を開けているのだが……何も見えない
一生懸命手を伸ばして辺りを探っているのだが
……何の感触もない
なのに身体がゾクゾクしてくる
そして自分は何かに恐れていることに気付いた

暗い闇の中でそれ以上の闇が自分を追ってくる
自分は走っているはずなのに
感触がない所為かうまく走れない

暗い闇の中で唯一明るいところ
そこは一本の道の道に入る入り口だという
そこに行けば光も感触もあるという
なのにその分の苦しみを背負わなくてはいけないという

しかし自分はそこに行かなければならない
約束したのだ「また逢おう」と
そこに何があるのか知らないが

唯一光る長い道の入り口へ
自分は約束を守るために行く


24
輪廻再生


静かなるときが流れた
いつか枯れると想っていた涙も
枯れることなくこの頬を伝う

一人で苦しめばいいものを
私の苦しみを拭うが為に
親友は私の苦しみを二分し背負ってくれた

時が流れ全てが思い出に変わろうとしているとき
この悲しみは何処に行くのか
果てしのない思いはなくなるのか

時が流れ
親友に謝るため
私はこの時代に生まれた
あの時の自らの苦しみを背負いながら
私の苦しみを背負ってくれた
親友に謝るために

この地上に
この時代に
私は生まれた



25
「舞姫」

おびただしい血の匂いがする。
その臭気にやられて、頭を軽く押さえる。
空は高く澄み、高みには死肉食いの鳥が旋回している。
息が出来ない。
覆い尽くそうとする匂いが
息をさせない。
甘く、優しく、安心する
貴方の匂いだ。

淡き色を放ち
そこにただひっそりとある
ついてをのばしてしまいがちなるその花
あそこまで行けるだろうか?

屍の我は……



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